こんにちは!
あなたのかかりつけ栄養士の佐藤彩香です。
この前、ある野球少年に聞かれたこの質問。
「とりあえずカロリーをとれば大きくなれるんですよね?」
よくよく話を聞いてみると、
「とりあえずカロリーの高いものから選んで食べろ、そうすれば身体は大きくなるから」
というアドバイスを受けて、
朝からカロリーの高い菓子パンを食べて、
昼は揚げ物や丼もの
夜も昼の延長で、夜食も欠かさない。
ひたすら高カロリーのものを食べているということでした。
「ちなみに身体はどうなの?」
そう尋ねると、
「確かに体重は増えました。でもなんか疲れが抜けないんです。重くて。食欲もだんだん減ってきてしまった。食べてる割には、便通もあんまり良くないんですよね。」
とのこと。
やっぱりそうなるよね。
確かに、カロリーは一指標としてみることはありますが、それがすべてではありません。
また闇雲にカロリーだけをとれって、それはどこに基準を合わせて?たくさんってどのくらい?
もうアバウトすぎて、素直な選手が可哀そうです。
確かに指導者の言うことをうのみにする選手もどうなんだ、自分で情報をつかんでなんぼ。という考えもありますが、やっぱり学生スポーツで、指導者が絶対の世界もある中で、なかなかそこを疑うことはできにくいと思います。素直で一生懸命な学生たちに、こういった指導はすごく危険です。
身体を大きくするために、カロリーの高いものをひたすら食べまくる!
そうではなく、しっかり情報、知識を掴んでいてほしいです。
ではどのように考えていけばいい?
そうはいっても、カロリーがまったく関係しないというわけではありません。
体重の増減は摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスも大切で、増量するためには消費エネルギーよりも多くの摂取エネルギーをとらなければ、体重、そして筋力アップも難しいです。
オーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)は、効果的な増量のためには1日あたり少なくとも500~1,000kcal分のエネルギーを多くとる必要があるとしています。
具体的にまず取り組んでほしいことは、
・三食にこだわらず、補食をとりながらこまめに食べていくこと。
・タンパク質の意識をあげること(体重×1.5~2g)増量であれば2を目指したほうが個人的にはいいかと思います。
・揚げ物ばっかり、タッパー飯のようにご飯ばっかり・・のように極端に何かに偏らない
まずここを振り返っていきましょう。
そして成長期の選手と関わる方には、選手は素直で、食事もこう言われたからと頑張る選手も多いです。
だからこそ言葉ひとつひとつが大事になることを私も含め、考えていきたいですね。
ポイントとなるのは、炭水化物(糖質)とタンパク質
国際オリンピック委員会(IOC)のスポーツ栄養コンセンサスでは、筋肉をつけるためには適切なエネルギー量を摂取する必要があり、そのために炭水化物(糖質)やたんぱく質を豊富に含む食品を摂取することを推奨しています。
炭水化物(糖質)は、米・パン・麺・芋・果物などです。
タンパク質は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などです。
これらをしっかりとり続けていくことが大事です。とにかく炭水化物を!とにかく油を!とにかくカロリーを!という方も多いのですが、コンディションをあげていくには、タンパク質の重要性と、適切な量を考えなければなりませんね。