こんにちは。
あなたのかかりつけ栄養士 佐藤彩香です。
今回は減量時の食事の取り組み第二弾です。前回のものはこちらから。
季節柄もありますがこのお悩みは非常に増えてきています。
またスポーツをしていたら、体重が軽い方が有利になる競技がありますし、ボクシングや重量挙げなど、体重ごとに階級が分かれるスポーツもあります。そうしたスポーツでは、ウエイトコントロールが勝負の鍵を握りますね。
減量はスポーツにおいては重要なポイントになりまし、どの方もできるだけ筋肉を残し、脂肪を減らすことでリバウンドしづらい体型となりますね。
今回は減量の時に考えるカロリーをテーマとしてお話をしていきます。
①消費カロリー>摂取カロリーとなるように
1日の消費カロリーが1日の摂取カロリーを上回るようにすることが大事になります。
そのため体重を減らすためには、消費カロリーと摂取カロリーをおおよそ把握しておく必要があります。
消費カロリーの計算は、一般の方は食事摂取基準をチェックしてご自身の1日の目安消費エネルギー量を知っていきましょう。
アスリートは、様々な求め方がありますが、
【JISS式】 28.5kcal×除脂肪量(FFM)×身体活動レベル(PAL)
【田口らの式】※女性アスリート 27.5kcal×除脂肪量(FFM)×身体活動レベル(PAL)+5
身体活動レベル(PAL)は以下より。
持久系 | 2.5 | 1.75 |
筋力・瞬発力系 | 2.0 | 1.75 |
球技系 | 2.0 | 1.75 |
その他 | 1.75 | 1.5 |
で求めていきましょう。
例えば?
例:持久系男子 体重75.0㎏ 体脂肪率10% 通常トレーニング期
①除脂肪体重を求めるために、脂肪量を求める→75.0㎏×10%=7.5㎏。全体の体重から脂肪量を引いて、除脂肪体重を出す75.0㎏-7.5㎏=67.5㎏
②計算式に当てはめる
28.5kcal×67.5㎏=1924kcalが基礎代謝量
1924kcal×PAL2.5=4810kcalは1日の消費エネルギーとなる。
次に、摂取カロリーを決めます。自分が目標とする期間と体重を決めましょう。体内に蓄えられている脂肪は、1kgあたり7200kcalです。つまり、脂肪を1kg減らすには、7200kcalのエネルギーを消費する必要があります。
例として、1ヶ月で1kg脂肪を減らしたい場合を考えます。1kgの脂肪を減らすには、1ヶ月間で消費カロリーが摂取カロリーを、7200kcal上回らなければなりません。これを達成するには、1日に消費カロリーが摂取カロリーを、240kcal上回らなければなりません。
こうした計算を行い、1日に自分がどれだけの食事を食べることができるのかを把握しておきましょう。
②カロリー制限による減量は体重の5%までを意識して。
競技特性や期間によってはこれは理想論となることもでてくると思いますが、理想は、1ヶ月で体重の5%までです。
減量期にこれ以上のペースで、体重を落としてしまうと、筋肉量や筋トレの強度も落ちてしまいます。私は期間に余裕がある方は、筋肉をなるべく維持していきたいので、減量期の体重減少を体重の2~3%程には抑えることが多いです。
やはり減量は計画が大事ですね。
③摂取カロリーを基礎代謝より低く設定しないこと
これも減量計画を立てる際に知っておいてほしいことです。
基礎代謝より低い設定は、上記と同じリスクで、筋肉量や筋トレの強度も落ちてしまいます。
そうならないようにしていきましょう。
④たんぱく質の意識をしっかり
減量期はすべての栄養素をマイナスしていかないとと思いがちですが、必要な栄養は必ず摂取しなくてはいけません。
さまざまな栄養素がある中で、特に意識したいのがたんぱく質です。
たんぱく質は筋肉を構成する重要な材料ですし、身体の化学反応を起こすために必要な酵素の素にもあります。
だかたといってむやみやたらに食べると脂質も多く摂りがちに。
鶏肉や白身魚、卵などの、脂質が少ない食品から摂取することがおすすめです。逆にばら肉や加工肉(ソーセージやベーコンなど)を多く摂りすぎには気を付けましょう。
※中には、脂質を制限しすぎる方も多いです。脂質も最低限は減量期でも身体には必要ですし、セーブしすぎて、エネルギー量がまったく足らないといったことが起こりやすいです。上記の内容をご覧いただき、制限をしすぎないようにしていきましょう。
⑤どんなものでカロリーをセーブできるのかを考える。
例えばお肉の部位
豚肉で見ていっても、100gあたり
バラ肉(脂身付き)395 kcal
ロース(脂身付き)263 kcal
ひき肉 236 kcal
外もも(脂身付き)235 kcal
肩肉(脂身付き)216 kcal
もも肉(脂身付き)183 kcal
ヒレ肉(赤身)130 kcal
と差があります。例えば、ばら肉ばかりの方は部位を変更するだけで大きくカロリー制限が可能です。
また料理方法や味付けでも大きく違いますね。
刺身・塩焼き→照り焼き→煮つけ→揚げ物のようにカロリーは上がっていきます。
シンプルな味付けて焼いたものやお刺身のように生で食べると自然とカロリー制限ができます。調理方法にも目を向けていきましょう。
またよく「ご飯を食べない!」といった糖質制限もありますが、
ご飯(お茶碗1杯150g)のカロリーは250㎉です。仮に三食ご飯を食べる方は、一杯分マイナスするだけでも、1か月1キロのマイナスが出来る計算となりますね。そんなに極端に制限することはないのです。
まとめ
減量は人によって成功するやり方がさまざまです。
これもやり方の1個ですが、しっかり計画を練って行えば、リバウンドのリスクも少なくすみます。
とくにアスリートは運動しながら減量するため、運動に必要なエネルギー源は確保していかなとパフォーマンスに影響が出てしまいます、むやみに減量さずに、計画を立てながらおこなっていきましょう。
不安な場合や何かあれば、一度管理栄養士に相談することをお勧めします。